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日々

暮らしの始まり

2024-07-24
カテゴリ:チルチンびと,新築
日本においての【家】と呼ばれるものができたのは、縄文時代。今から約13000年前のこと。
【竪穴式住居】と言って、地面に穴を掘ってそこに柱を立て、植物で屋根をかけるものでした。
狩猟が盛んだった前半は移住していたため洞窟や、簡単なテントのようなもので暮らしいましたが、氷河期が終わり、温暖化になり始めたころ、稲作をするようになり定住をするようになり半地下の竪穴式住居を作り始めたといわれています。


構造は、柱4本~7本ほど。柱で枠を作り梁を組みあげて造る、軸組構造。現在の木造建築のベースとなっているものです。
屋根は茅(カヤ)で作製されており、すきま風は通すけれど雨は通さない構造。
そして、屋根の天井は煙を排気する通気口もついていたようです。

床の竪穴は約1mほど掘り下げたつくり。床という概念はなく、すべて土間でした。
地中5m前後の温度は年間通して約10~15℃で安定しています。
地表から1m近く掘り下げただけでもその効果があり、床の温度は冬温かく夏涼しく感じたに違いないでしょう。
さらに、床面から1m掘り下げて食料を保存したと考えられています。地中の低温性を利用した恒温保存庫のようなものです。

そして、もうひとつ。地面を掘ることで地上の生き物(虫)たちと同じ目線に立つことができ、自然と一体化して生活していたそうです。ちょっとファンタジーな感じでも、ことわざで「虫の知らせ」というように、日本人はおどうやら、虫の声を聴くことができたみたいです。
外国では、騒音に聞こえる虫の声も、日本人にはきれいな音色に聞こえる。雨音にも、たくさんのオノマトペがありますよね!(シトシト、ザーザー、ポツポツ)雪にも音がある・・・。素敵ですよね。



さて、話を住宅に戻しましょう。


縄文時代のひとたちの暮らしを調べていくうちに分かったことは、近代社会になりよりよい生活環境を追求するあまりに多くのエネルギーを消費するようになってしまった気がします。

縄文時代は、自然の恵みに感謝し決して無駄にせず自給自足で生活を送ってきました。
無駄なゴミも出さずに。

彼らの知恵を拝借しながら、今後の生き方や暮らしを見直していくのもいいと思いました。






千枝美

 




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