建具
2024-11-21
カテゴリ:完成見学会,チルチンびと,新築,わかくさの平屋
建具(たてぐ)
私が建築に携わるまで知らない言葉でした。
ドア、扉、窓・・・この言葉は聞きなれているし、普段も使用しています。
なぜ、建築では、ドアと言わずに建具というのか・・・
辞書で検索すると「戸・障子・襖など、部屋を仕切って開け閉めするもの」とあります。
歴史を調べてみると、昔は「たてる」という言葉で「閉める」という意味があったそうです。
諺で「人の口に戸はたてられぬ」といいますよね。
戸を立てるは戸を閉ざすという意味。ここから。戸・障子・襖など、部屋と部屋の間を閉ざすものを【閉てる道具】という意味でたて具と呼び【建具】と書くようになったといわれています。
建具の歴史はとても古く、現存する最古の木製建具は法隆寺金堂の板戸だそうです。飛鳥時代のもので今から約1400年前のものになります。
初めて建具として誕生したのは平安時代の貴族の住まい。寝殿造りと言い、壁がなく几帳(きちょう)衝立、屏風などを使用して仕切り、外部は蔀度(しとみど)という戸で吊っていました。
約450年前 桃山時代から江戸時代にかけて登場したのが書院造。内部は襖、欄間、障子などで豪華に装飾をするようになり外部は障子、板戸、雨戸がつくようになりました。
明治時代には海外からの技術が取り入れられ、大量に生産できるフラッシュ戸や、気密性、断熱性に優れているアルミサッシが主流となっていきました。
時代とともに進化、変化していった建具。いいところは継承しつつ進化し続けていきたいですね。
参考資料:全国建具連合会
千枝美