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日々

根太組み

2013-08-27
カテゴリ:瑞穂の家
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瑞穂の家
 
 
今日の話は長いです。ついつい書いてしまった・・・
 
 
大工さんが床の下地となる根太【ネタ】と呼ばれる材料を取り付けている様子です。
 
1階の根太には桧、2階の根太には杉を使用しています。
 
1階の根太に関しては、一般的なサイズより大きい6㎝角の材料を使用しています。
 
根太を取り付けた後、最後に桧の荒床【アラユカ:仕上げ加工を施していない下地用の床材】を、床の強度を高めるため根太に対して45°の角度を付けて貼り、床の下地が完成。
 
45°の角度を付けて荒床を貼るのは、強度を持たせる以外に、仕上材となる床材の繊維方向と、荒床の繊維方向を変えるためです。
 
無垢材は生きている材料なので、気候環境により収縮を起こす場合があります。
 
同じ繊維方向で貼ってしまうと、大きな収縮や床鳴りの原因になりうるので、45°の角度を付けて施工しています。
 
 
根太や荒床を使用した床下地は、古くから日本建築で用いられてきた工法ですが、現代の家づくりにおいては珍しいものとなりつつあります。
 
施工の簡略化、スピード化、床鳴りなどのクレームレスを図るため、今では根太や荒床を使わず厚みのある合板を貼りつけていく工法が一般的です。
 
一般的な合板のサイズは畳一枚分。一枚で大きな面がとれるため施工も楽だし、面としての強度も出しやすいといえます。
 
こうしたことから、合板は大工さんやハウスメーカーなどに一気に受け入れられ、合板なくして今の住宅建築ない!っと言うほど、今では重要な役割を果たしています。
 
 
しかし、無垢材に比べ合板の弱点は、材料自体が湿気の出し入れができないこと。
 
合板は薄い板を接着剤を用いて何層にも貼り合わせているため、湿気を出し入れする調湿効果はありません。
 
合板は一度濡らしてしまうと、合板そのものに加えて周囲の部材の腐れにも加担してしまいます。
 
あと気になるのはニオイ。
 
無垢材にこだわった家づくりを長くしていると、自然と無垢材の香りがあたり前になってしまいます。
 
お客様に「木のいい香りがしますね」とよく言われ、「そうですよね!」と相づちをうちますが、鼻が慣れてしまっているせいか全く気にならないのが現実・・・。
 
その反面、慣れていない合板のニオイには敏感になってしまいました。
 
ニオイの原因は、接着剤に含まれる化学物質が揮発したニオイです。
 
特に、この夏場は気温が高いことから揮発しやすい環境といえます。
 
 
長く語ってしまい、反合板団体みたくなってしまいました。
 
とはいっても、合板を使った家造りの実績はあります。
 
合板の善し悪しを知った上で、再び日本古来の建築工法で家づくりをしています。
 
手間ヒマがかかって、決して安く早く出来ない工法だけれど、つくり手住まい手双方が納得して、良い家をつくりたいという想いが根源にはあるのです。
 
 
設計担当 高山
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