深い軒先
2013-12-25
カテゴリ:奏楽の家
奏楽の家
L字型の躯体で、庭に面する部分の軒先は1.82mあります。
弊社では一般的に0.91mの軒先を基本としていますが、奏楽の家は、その倍あります。
深い軒先のメリットは、
・夏の厳しい日差しを遮り、冬の低い日差しを取り込める。
・外壁からの漏水を防ぐ。
などが挙げられますが、1.82mの深い軒先を採用した一番の理由は、庭に面する外部の木製建具を雨から守るためです。
今回、庭に面する開口部は全て木製建具。
故に、反り狂いをもたらす雨水の影響を少しでも絶つことが重要だったのです。
1.82mの軒先を可能にするため、日本建築の伝統工法である出し桁造り(又は、せがい造り、出し梁造りとも呼ぶ)を採用しています。
2番目の写真のように、野地板⇒垂木⇒出し桁⇒出し梁⇒軒桁の順で屋根荷重を支えます。
一般的な屋根のつくりは、出し桁と出し梁がない、野地板⇒垂木⇒軒桁の順で屋根荷重を支えます。
出し桁と出し梁を取り入れることで深い軒先が実現するのです。
特徴的な出し梁は、深い軒先を実現する他、登り梁として片流れ屋根の主たる構造材、内部の勾配天井をつくりだす構造材としても採用しています。
設計担当 髙山
